長野県 田沢・沓掛(たざわ・くつかけ)
長野県小県郡青木村
田沢・沓掛概要
藤村ゆかりの山あいのいで湯 夫神岳の山腹にひっそりとした保養地
田沢温泉は、十観山の山あいにあり、湯川のせせらぎに格子戸の宿、重厚な門構え、白壁の土蔵など、歴史の雰囲気が漂う温泉地である。開湯も古く、飛鳥時代の後半で、役小角という行者によって発見されたと伝えられている。若き島崎藤村も滞在して小説の構想を練り『千曲川のスケッチ』に山国らしい温泉として紹介している。
また、温泉は「子宝の湯」としても有名で、その昔、山姥が湯治に来て、大江山の鬼を退治した坂田金時を生んだという伝説が残っている。伝説からもわかるとおり御婦人には卓効があり、子のない婦人が37日、乳の少ない婦人は27日入浴すれば効果があらわれるといわ
れ、子宝の湯、子持ちの湯、はらみ湯、有乳湯と呼ばれている。
沓掛温泉は、平安時代、国司の滋野親王が目を患い入湯したところ完治したので、薬師堂を建てて温泉守護神を崇し、開湯したといわれている。
また、夫神岳が京都の小倉山に似ているところから「小倉の湯」とも呼ばれひっそりとして、湯治場風のカラーが残り、今で言う秘湯と呼ぶにふさわしい温泉である。素朴な共同浴場があり、温泉の湯を利用した洗い場では、近在の奥さんたちが、取りたての野菜や山菜などを洗っている。
春は、温泉に通じる山道の桜並木の花が咲き乱れ、山里の素朴な景色が独特の美しさを描き出している。ここは、都会の騒音などを全く寄せつけない静けさと、新鮮な空気がただよっている。
田沢・沓掛の見どころ
五島慶太未来創造館、信州昆虫資料館、国宝大法寺三重塔、青木村郷土美術館、修那羅の石仏、道の駅「あおき」。
田沢・沓掛へのアクセス
JR北陸新幹線上田駅より青木までバス30分。
MAP 田沢
MAP 沓掛
田沢・沓掛の泉質・適応症
泉質
硫黄泉
適応症
アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症、筋肉、関節の慢性的痛み、こわばり、軽い喘息・肺気腫、痔の痛み、運動麻痺による筋肉のこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下、軽症高血圧、自律神経不安定症やストレスによる諸症状、耐糖能異常、軽い高コレステロール血症、病後回復期、疲労回復、健康増進
宿泊施設数と温泉地全体の収容力
7軒/320人